バージョン管理とは
プログラムは常に変更が加えられていくものですが、最新のプログラムだけがあれば良いわけではありません。過去にリリースしたバージョンを保持しておく必要があります。これは、プログラムにバグがあった場合や、後から加えた変更を元に戻したい場合に、ある時点のリリースに戻す必要があるためです。簡単に言えば、バックアップを取ることがバージョン管理の基本です。
差分管理
リリースしたバージョン間での差分を把握することも重要です。これにより、どの時点の状態に戻すべきかを判断することが可能になります。
一人で行うバージョン管理
一人で開発を行う場合、バックアップを定期的に取り、変更の差分を記録したり、差分検出ソフトを使って変更点を抽出することで、十分にバージョン管理を行うことができます。
共同作業でのバージョン管理
複数人で開発を行う場合、ファイルを共有する必要があります。この場合、同じファイルを複数人が同時に変更することがあり、適切に管理しなければ、他の人が行った変更内容が消えてしまうリスクがあります。
共有ファイルを変更する際は、以下のような方法を用います:
- ファイルのロック: 変更中はファイルをロックして、他の人が同時に変更できないようにします。
- 一時的なロックと差分の反映: ファイルを一時的にロックし、その間に自分の変更と他の人の変更の差分のみを反映します。
バージョン管理システム
これらの手間を減らし、効率的にバージョン管理を行うためにバージョン管理システムがあります。バージョン管理システムは、同じファイルが変更されたことを通知し、複数人での共同作業を円滑に行うことを支援します。
マージ
同じファイルが複数人によって変更された場合、その差分を統合する必要があります。この作業を「マージ」と呼びます。
その他の機能
バージョン管理システムには、以下のような便利な機能があります:
- 共有ファイルの取得: 共有リポジトリからファイルを取得します。
- 共有ファイルへの反映: 自分の変更を共有リポジトリに反映させます。
- 変更履歴の確認: ファイルの変更履歴を確認できます。
- リリースタグの設定: ある時点の状態にタグを付けて、リリースバージョンとして管理します。
- 分岐の作成(ブランチ): ある時点の共有ファイルから分岐を作成し、リリース版と開発用に分けて管理することが可能です。
バージョン管理システムの種類
集中型バージョン管理システム
集中型では、共有ファイルは1つのリポジトリにまとめられています。代表的なシステムには以下があります:
- CVS
- VSS(Visual SourceSafe)
- Subversion
分散型バージョン管理システム
分散型では、ローカルに複数の共有ファイルがあり、リモートに1つの共有ファイルがあります。ローカルでも自己バージョン管理が可能で、柔軟な開発が行えます。代表的なシステムには以下があります:
- Git
分散型のバージョン管理システムは、複数人での開発やリモートでの作業に特に適しており、ローカルリポジトリでの作業をリモートリポジトリに反映することで、効率的に共同作業が行えます。
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