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無について(20200219_2121)

無とはなんでしょうか。
無は人にとって一番感じにくいものかもしれません。
なぜならそのものを感じることができないからです。
人は無いことを感じるのに有るものと比較して
無いことを感じます。
つまり有りなしでは無しを感じられません。
人は有ると感じるから無しを感じます。

しかし比較する有というものが存在しない
完全な無というのはあるのでしょうか。
完全な無は何も認識しなくなる
ということでしょうか。

人が何も認識しなくなるのは
深い眠りにつくときです。
深い眠りについているときは夢も見ません。
全くの無の状態といえそうです。
時間もないし世界もありません。
起きているときに感じる全てのものを感じません。
まるで死のような状態といえないでしょうか。

人は深い眠りについているとき
自分自身の意識はどこにあるのか。
そんなことを考えたことはないでしょうか。
しかしどこにも存在しません。
意識がないときの自分は、
意識があるときの世界とは無縁です。
なぜなら意識があるときの世界は
意識があるゆえに感じられる世界です。
意識がない状態では何も感じません。
時間の長さもなければ、空間の広さもない、
つまり、世界は同じですが、
意識があるときの世界とは全く違う世界です。
無の状態といっていいのではないでしょうか。
人は朝、体の作用により意識が戻りはじめるまでは
無の状態で、意識が戻りはじめたときから
時間が流れはじめ、空間を感じはじめます。
同じ世界ですが、意識が有るか無いかにより
世界はまるで違って捉えられることになります。

人は世界を画一的なものと見なしますが、
実は時間の有無、空間の有無などにより、
いかようにもとれる世界なのかもしれません。
人と他の生物は世界を同じように
捉えているでしょうか。
もしかしたら人間も同じように
捉えているように見えて
例えば昔の人と今の人の世界の捉え方が違うように、
赤ん坊と大人の世界の捉え方が違うように、
同じ世界でも、捉え方により全く違う世界に
なるのではないでしょうか。

昨晩の寝ていたときの自分と今の自分は
今の自分では想像ができないほど、
世界の捉え方が違っていて、
もしかしたら生と死と同じくらい
世界の捉え方が違うのかもしれません。
そうすると人はもしかしたら生と死と
似たようなものを毎晩繰り返している
とはいえないでしょうか。