知について
人にとって知とは何でしょうか
一般的に知とは字の如く口+矢で
人に説明できるほどの知識を指すと思います
しかし人に説明できないものは知ではないのでしょうか
知とはことばです
世の中にはいろいろなことばやことばの集合、ことばの組み合わせが存在します
人はそれぞれ自分のことばやことばの集合、ことばの組み合わせをもっており
それは人それぞれ違います
たとえ説明はできなくても
それはその人特有の知だといえます
その知はその人が送ってきた生活や考え方から生まれたもので
全く同じものは存在しません
そういった人それぞれの知は会話や本などにより
触れることができます
それが役に立つかどうかは別として
そういったことばの組み合わせはその人にしか発することができない
特有の知です
人は教科書に乗っているような
一般的、普遍的な知識を知と呼ぶことが多いと思いますが
実際には人の数だけ知があるといえます
自分には理解できない考えや興味のない話題
好き、嫌いなことばなどいろいろあると思いますが
そういったことばの組み合わせはその人の生活から必然的に生じたものであり
好きであれ、嫌いであれ、何かしら学ぶところがあると思います
人は知識というと一連の流れをもった系統立ったものをイメージしますが
ことばの組み合わせ自体が知識です
人によっては結びつかないものが結びついたり
自分の中では結びつかないものが人の中では結びついていたり
ことばという断片であっても
積み重なって理解できたりすることもあります
しかし断片がなければ何も理解することはありません
意味がないように思える断片であっても
いつかそれが何かある意味を持ち出すこともあります
知識とはそういったことがあったな
というものも含めて知識です
そういったことがあったなという経験がなければ
決して思いつかないことは山ほどあります
そういったことがあったなという記憶さえあれば
あとでそれを調べることはできます
しかし知らなければ人はそれに思い当たることもない
そういった意味で人は突き詰めなくても
いろいろなことばを自分の中で持っておく
いろいろな本などを読んでことばの断片だけであっても
触れておく
人は断片だけであっても
知っている人と知らない人で分けられる